« 自主的避難者への追加賠償に関する要請書を提出しました。 | トップページ | 全国にある弁護団 »

2013年1月23日 (水)

福島第一原発事故による損害賠償請求権の 消滅時効の取扱いに関する抗議声明

2013年(平成25年)1月22日

 

福島第一原発事故による損害賠償請求権の

消滅時効の取扱いに関する抗議声明

 

東京電力株式会社 代表執行役社長 廣瀬 直己 殿

原子力損害賠償支援機構  理事長 杉山 武彦 殿

内閣総理大臣 安倍 晋三 殿

原子力損害賠償支援機構担当大臣(経済産業大臣) 茂木 敏充 殿

財務大臣   麻生 太郎 殿

文部科学大臣 下村 博文 殿

 

 

福島原発被害救済新潟県弁護団  団長  遠藤 達雄

福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN

共同代表 梓澤和幸、河﨑健一郎

原発被害救済千葉県弁護団    団長   福武 公子

原子力損害賠償群馬弁護団    団長  鈴木 克昌

原発事故被災者支援北海道弁護団 団長  岩本 勝彦

東日本大震災による原発事故被者支援関西弁護団

団長   金子 武嗣

東日本大震災による原発事故被者支援弁護団

団長    丸山 輝久

1 2011年(平成23年)3月11日に発生した貴社福島第一原子力発電所事故(以下「本件事故」という。)によって未曾有の被害を受けた被害者には、被害に見合った十分な賠償を受ける途が確保されるべきであり、消滅時効の適用を回避するため、解決を急ぐ被害者が、やむなく貴社の示す損害賠償基準に従うなど不本意な賠償に甘んじることになるような事態は厳に避けなければならない。

2 1月16日以前の報道によれば、東京電力の下河邉和彦取締役会長兼原子力損害賠償支援機構運営委員長(以下、「下河邉会長」という。)及び広瀬直己取締役代表執行役は、同月10日、福島県庁で佐藤雄平知事と会談し「賠償が『3年間で終わり』というのは、会社としてあり得ない。」と発言したとされ、同月11日に川内村役場で遠藤雄幸村長と会談した下河邉会長は、損害賠償の消滅時効について「使うことは考えていない」と発言したとされる。

しかしながら、そのわずか数日後である1月16日、一部報道機関が、貴社及び貴機構は、損害賠償請求権の消滅時効を、被害者が請求に必要な書類を東京電力から受領した日から3年間とする方針を決め、同月15日に主務大臣に認定を申請した特別事業計画の変更内容に盛り込んだと報じられており、これが真実であれば、貴社はわずか数日で消滅時効に関する方針を転換したものと評価せざるを得ず、到底容認できない。

また、消滅時効期間に関して、日本弁護士連合会は、1月11日付けで、「東京電力福島第一原子力発電所事故による損害賠償請求権の消滅時効に関する意見書」を発表し、本件事故の被害が深刻かつ広範であることに鑑み、貴社と国に対して、本件事故の損害賠償請求権について消滅時効を援用しないことの確約を求めていたものであり、貴社の上記方針転換は極めて遺憾である。

3 原発事故の被害者は突如として、家族、親戚、友人などと離ればなれになったり、放射能の影響を避けるため戸外での活動を制限したりするなど、何ら落ち度がないにもかかわらず、筆舌に尽くしがたい被害を強いられているものである。

そして、今現在、なお避難継続中である被害者が多数おり、本件事故による放射能の影響についても、いつ収束するかもわからない状況の中、被災者が請求書を受領したといっても、東京電力に対し、どのように賠償を請求したらいいのか決めかね、請求できない被害者も少なくない。

また、原子力損害賠償紛争解決センターに和解仲介を申立てたとしても、その手続の進行が遅延しており、迅速かつ適切な紛争解決が図られているとは言えず、同センターへの申立てに時効の中断効が認められていない現状においては、この申立ては時効の進行を止める手立てとなっていない。

そのため、損害賠償の時効中断のため訴訟提起するといっても、被害者が訴訟提起に踏み切るには、時間、労力等の観点からハードルは高いと思われる。

4 そもそも、本件事故は貴社が国策による事業活動として原発を稼働させていたものであり、加害者である貴社や国が、被害者の要求に基づかずに賠償範囲を示すこと自体、損害賠償の在り方としておよそ正常とはいい難い。まして、原子力発電や放射線の影響について被害者には信頼に足りる情報が十分に与えられていない状況にある中で、東京電力の請求書式を受領した時期によって消滅時効の起算点を決めることは、加害者が作った請求の在り方に被害者を誘導し、被害実態に即した賠償を妨げることにも繋がりかねないものであり、著しく正義に反する。

5 よって、貴社及び貴機構の上記方針に対して、強く抗議するとともに、特別事業計画の変更申請の内容を再考し、消滅時効を援用しないことを強く求める。

以上

 

 

【本声明文に関する連絡先】

951-8062

新潟市中央区西堀前通2番町709番地

白柳ビル3階福島原発被害救済新潟県弁護団

  弁護団長  遠 藤 達 雄

  事務局長  近 藤 明 彦

事務局長連絡先 電話  025-245-0123

FAX 025-245-0155

« 自主的避難者への追加賠償に関する要請書を提出しました。 | トップページ | 全国にある弁護団 »

声明・意見書・申入書」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1619033/48903510

この記事へのトラックバック一覧です: 福島第一原発事故による損害賠償請求権の 消滅時効の取扱いに関する抗議声明:

« 自主的避難者への追加賠償に関する要請書を提出しました。 | トップページ | 全国にある弁護団 »